3つの「振聴-フリテン」

麻雀の和了は2種あり、1つは自分自身で牌山から和了牌を引き当てて和了する門前清自摸和(ツモ)。そして、誰かの捨て牌が和了牌なら宣言できるロンがあります。だだし、ロンの場合は、せっかく和了牌が切り出されてもロンを宣言できない状態がいくつかあります。それがフリテンです・・・・・

フリテンはロンあがりできない

冒頭で少し触れたとおりフリテンになっている場合、どのような状況であっても絶対にロンあがりすることができません。「どうして?」と思うかもしれませんが、そこはルールなので素直に受け止めましょう。

このフリテンがあるおかげで、いろいろな「かけひき」や「戦略」が生まれ麻雀をよりゲーム性の高いものへとしている訳ですが、麻雀初心者はもちろん、気を抜いてしまうと、中級者・上級者でもルール違反を犯して(フリテンでの)ロンを宣言してしまう場合があります。もちろんフリテンロンはゲーム進行困難な重大なルール違反となるため、満貫罰符(子8000点/親12000点)が適用されてしまいます。

本来点数を受け取れるはずだったのに、逆に点数を支払うことになってしまうフリテンロン・・・ルール自体は難しくないのできっちりと頭に入れておきましょう。フリテンが適用される3つの条件は以下の通りです。

3つのフリテン
  1. 自身の捨て牌によるフリテン
  2. リーチ後の見逃しによるフリテン
  3. 同順内フリテン

自身の捨て牌によるフリテン

これは麻雀のルール―の大原則です。麻雀は自分が捨てた牌では絶対にロンあがりすることができません。※門前清自摸和(ツモ)あがりは可能です。

ですので、ロンを宣言する場合は必ず河に並んだ自分の捨て牌をよく確認してから宣言するようにしましょう。当然ですが、他家の副露によって、自身の河に和了牌が無かった場合でもフリテンが適用されます。

と、ここまでは河を見れば確認できるので注意していればフリテンを回避できますが、捨て牌によるフリテンにはもう一つのルールがあります。それが、自身が捨てた牌とそれに関わる多面張の和了牌でも和了することができません。これがフリテンが初心者泣かしと言われる理由の1つです。

文面だけだとわかりにくいので、以下の牌姿で確認していきます。

捨て牌によるフリテン1

例えば、この牌姿は36ワン待ちのリャンメン待ちです。自身の河を確認してみると3巡目に3ワンが切り出されているので、3ワンでロンあがりができないのは説明した通りです。

ただ、今回の待ちは36ワンです。つまり、3ワンにかかわる和了牌である6ワンでもロンあがりをすることができないことになります。

もう一つ例を。

捨て牌によるフリテン2

先程と似たような牌姿になっりますが、今度は369ワン待ちです。捨て牌には同じく3巡目に3ワンが切り出されています。このような場合は、3ワンに関わる待ち牌である69ワンでもロンあがりができないということになります。

最後に極端な例を。

九蓮宝燈2(ちゅうれんぽう

上の牌姿は役満である九蓮宝燈(チュウレンポウトウ)テンパイの牌姿で、待ち牌は1ワン9ワン9面張です。これは国士無双13面張の次に多い多面張となるわけですが、このような場合、1種でも自身の捨て牌にワンズがあると、9種全てのワンズで和了することができないことになります。

リーチ後の見逃しによるフリテン

リーチ後に切り出された和了牌を見逃してしまった場合、絶対にロンあがりすることはできません。この時多面張になっているようなら、上の【1.自身の捨て牌によるフリテン】で説明した通り、多面待ちの全ての牌でロンを宣言できなくなります。

リーチ後のフリテン

上の牌姿では、東家のリーチ後に和了牌の3ワンが南家から切り出されていますが、見逃してしまいさらに西家の摸打が終了してしまっているため、リーチ後のフリテンが成立してしまっています。ですので、36ワンでロンあがりをすることができなくなっています。

この時、門前清自摸和(ツモあがり)は許される場合が多いですが、割と有名なローカルルールで【フリテンリーチ】自体を(※リーチ前・リーチ後のフリテンに関わらず)禁止している場合があるので、事前の確認が必要になります。禁止されている場合は満貫罰符が適用されます。

同巡内フリテン

同巡内フリテンは、下家から切り出された和了牌を見逃すと直後(同巡内)に対面・上家から和了牌が切り出されてもロンあがりを宣言できません。また、同じく、対面から切り出された和了牌を見逃してしまうと、直後(同巡内)に上家から和了牌が切り出されてもロンあがりを宣言できないフリテンルールとなります。

※同巡内フリテンはその名通り、同巡のみに適用されるフリテンとなるため、次の自身のツモ番をもって同巡内フリテンは解消され、和了牌が切り出されればロンを宣言することが可能になります。

以下は、下家が切り出した和了牌を見逃したため、対面・上家から切り出された和了牌でロンを宣言できない状態になっています。

同巡内フリテン

上の牌姿は369ソウ待ちで9ソウが出れば一気通貫が確定するので、9ソウで和了したい場面ですが、下家の3ソウをスルーしてしまった場合、同巡内では、3ソウはもちろん、69ソウでも和了できない状態になっています。

まとめ-3つの「振聴-フリテン」

以上が3つのフリテンのルールとなります。簡単にまとめと・・・

【自身の捨て牌によるフリテン】・・・自身の捨て牌とそれに関わる和了牌ではロンを宣言できない。

【リーチ後の見逃しによるフリテン】・・・リーチ後に和了牌を見逃してしまうと、和了牌とそれに関わる和了牌でロン上がりを宣言できない。

【同順内フリテン】・・・下家や対面が切り出した和了牌を見逃すと、同巡内でロンを宣言できることはできない。

となります。麻雀初心者は特に【自身の捨て牌によるフリテン】に引っ掛かりやすいのです。待ち牌を変更した時は特にフリテンになっていないか確認するようにしましょう。