「メンタンピン」は攻守共に麻雀の軸になる役
ある程度麻雀の経験を積むと「メンタンピン」と言うフレーズを聞くことがあると思います。このメンタンピンは麻雀におけるとても重要な役で攻守共にメンタンピンが軸に行われることが多々あります。このメンタンピンとは・・・
- メン=リーチ(1飜)
- タン=タンヤオ(1飜)
- ピン=ピンフ(1飜)
の3つの役の事を指します。
これらのメンタンピン3つの役は全てが成立してもたったの3飜となります。点数でいうと子の場合3900点、親でも5800点と火力としてはぱっとしませんが、戦略としてはとても重要な要素を秘めています。
メンタンピンの「メン」
メンタンピンの「メン」とはメンゼンでリーチをかけることを指します。
メンゼンとは副露(ポン・チー・ミンカン)をしていないことを指すわけですが、そもそもリーチをするための条件の一つにメンゼンである必要があるため、「リーチを宣言できる状態=メンゼン」であると言えます。
リーチのおさらい
リーチは自分の手牌にあと1枚有効牌が入れば和了形が完成する状態で、リーチを宣言し1000点の供託をすれば成立する1飜の役となります。
リーチを宣言する時の手順は以下の通りです。
- テンパイしたら、打牌する直前にリーチを宣言
- 河に捨てたリーチ宣言牌を90度まわして置く
- リーチ宣言牌で放銃がなければ1000点を場に出して(供託)リーチ成立
となります。ちなみにリーチ宣言牌で放銃してしまった場合は、リーチ不成立となるため供託は必要ありません。
リーチの重要性
リーチが重要になってくるのはその火力です。リーチを宣言することで1飜の役が確定するのは先程説明した通りですが、リーチをすると副産物として、同じく1飜の「一発」や「裏ドラ」の権利が得られます。
「一発」や「裏ドラ」は運次第となりますが、リーチのみでも満貫程度、カンが入っていれば、跳満以上の点数が出る場合もあります。
序盤・中盤の先制テンパイであれば、カンチャン待ちやペンチャン待ちの悪手でも積極的にリーチを宣言するのも良いと思います。
また、リーチを宣言した後は手を変えることができませんが、リーチをするつもりであればメンゼンで手を進めている為、リーチを宣言する前であれば、手を崩して守りにも入りやすいです。(副露していると切れる牌が制限される為)
メンタンピンの「タン」
メンタンピンの「タン」とは1飜の役である、断么九(タンヤオ・タンヤオチュー)のことを言います。牌姿は以下のような感じです。
断么九(タンヤオ・タンヤオチュー)のおさらい
麻雀の牌は大きく么九牌(ヤオチューハイ)と中張牌(チュンチャンパイ)の2種に大別されます。么九牌(ヤオチューハイ)は字牌と1・9牌の総称のことを指します。
つまり、断么九(タンヤオ)とは么九牌(ヤオチューハイ)を断つことを意味し、中張牌(チュンチャンパイ)のみで和了形が構成される役となります。
タンヤオの重要性
「タンヤオは牌効率が良い」これに尽きます。麻雀は一局単位で言うと、一番早く和了したプレイヤーの勝利です。半荘を通して見ると時には、手を遅らせても高得点が必要な場合もありますが、麻雀の基本は早上がりです。
牌効率については別の記事で詳しく紹介していますが、簡単に説明しておくと例えばチュンチャンパイである。こので面子一歩手前の搭子や対子を作ろうとすると有効牌は・・・
の5種、牌数にすると19枚にもなります。では、么九牌(ヤオチューハイ)である字牌は1・9牌はどうでしょうか?
例えば、の場合は3種の11枚 字牌になると順子が作れない為、対子や刻子(槓子)しか作ることができません。必然的に字牌を対子にしようとすると、残りたった3枚の内1枚を引き当てる必要がある訳です。
么九牌(ヤオチューハイ)と中張牌(チュンチャンパイ)、どちらが早く面子を作り和了できる可能性があるか一目瞭然ですね。
メンタンピンの「ピン」
メンタンピンの「ピン」は1飜の役であるピンフの事をさしています。牌姿の例は以下の通りです。また、ピンフを成立させるためには牌姿だけではなく、待ちの形が必ずリャンメン待ちになっている必要があります。
平和(ピンフ)のおさらい
平和は麻雀の基本になる1飜の役で4面子1雀頭の4面子を全て順子にして待ちは必ずリャンメン待ちで構える必要があります。
雀頭については、役牌以外であればどの牌を使用しても成立します。(客風であれば、風牌イラスト・・・・を使用してもピンフが成立します。)
ピンフの重要性
タンヤオの時と同様にピンフが重要視されるポイントの1つが牌効率の良さです。ピンフは役の性質上成立しやすい役となるのです。
具体的にはピンフは成立条件として4面子の全てが順子でないといけません。面子の種類には、順子・刻子・槓子と3種類ありますが、この3種類の中で順子が一番面子として成立しやすいのです。
搭子から順子(面子)を作るのに必要な有効牌の枚数
順子の一歩手前になる搭子には、ペンターツ・カンターツ・リャンメンターツの3種類あります。
まずペンターツについてですが、12〇は〇89の2つ。数牌あ3種あるので全部つ6つのペンターツがあることになります。待ちは必ず数牌の【3】もしくは【7】のみとなります。つまりペンターツを順子にするための有効牌は4枚ということになります。
次にカンターツについてですが、カンターツはといった具合に順子の真ん中の数牌が抜けてる面子の事を指します。つまりカンターツを順子にするための有効牌の枚数はペンターツの時同様に4枚ということになります。
では、「カンターツとペンターツの優位性は同じか?」というとそうではありません。カンターツはペンターツと違いリャンメンターツへの変化が期待できます。リャンメンターツになると有効牌数が4枚から8枚に変化します。つまりペンターツとカンターツであればカンターツの方が優位性があると言えます。
最後にリャンメンターツです。リャンメンターツは数牌の両端で待つ良形となります。〇34〇 〇67〇のうような形となります。有効牌の数は8枚にもなります。
対子から刻子(面子)を作るのに必要な有効枚数
対子は同柄の牌を、2枚一組として扱うことで〇〇や〇〇のような牌姿となります。対子から刻子(面子)を作る為の有効牌数はペンターツ・カンターツ同様に4枚・・・と言いたいところですがそうではありません。
麻雀牌は同種同柄の牌は各4枚ととなっています。つまり、既に対子として同柄の牌を2枚殺してしまっている為、対子を刻子(面子)にするための有効牌の枚数はたったの2枚となります。
愚形と言われるペンターツやカンターツでさえ4枚の有効牌があるのに対して、対子から刻子(面子)へ変化させるためにはさらにその半分である2枚の内の1枚を引き当てる必要があるのです。槓子に限っていうと、同じ牌の4枚目を引き当てる必要があるので有効牌数はたったの1枚とさらに手牌に組み込むことが困難となります。
このように、有効牌の枚数の確認をしていくと、他の面子と比べ順子(面子)がいかに作りやすいかがわかると思います。
メンタンピンのまとめ
麻雀は高得点を目指すと共にスピード勝負のゲームです。メンタンピンは【メン】で得点力をUPさせ、【タン】【ピン】で和了のスピードをUPさせる、まさに一石二鳥の手役となるのです。極論を言ってしまうと、【タン・ピン】は狙うというよりも、牌効率を考えて打牌していくと必然的に【タン・ピン】の形に近づいていくということになります。
麻雀初心者の方はまずは「メンタンピン」を意識して摸打をくりかえしていくようにしましょう。