序盤・中盤の「裏スジ」牌は危険

「裏スジ」から危険牌を読む

リアル麻雀をしていると「裏スジは危険」、特に「序盤・中盤に打牌された牌の裏スジは危険」というフレーズを耳にすることがあるかと思います。今回はこの裏スジについて考察していきたいと思います。

まず裏ではない普通に「スジ」と言うと、同種の2つ飛ばしの数牌の事を言います。

筋スジ

1ワンが打牌されている時の、4ワン4ワンが打牌されている時の1ワン7ワン等がスジにあたります。

これらのスジは対象となるプレイヤーがリャンメン待ちで構えていることを前提とした場合の安全牌を予測する方法に用いられます。

これに対して、裏スジは安全牌ではなく対象となるプレイヤーの危険牌を予測する方法の1つとなります。具体的に裏スジと言うと、スジのすぐ隣のスジの事を言います。

裏スジ一覧

では、なぜ裏スジが危険牌になる可能性があるのかを解説していきます。

手牌を整理していくと自然に裏スジが危険牌になる場合

手牌を整理していくと、自然に裏スジが危険牌になるケースが多々あります。例えば以下のような牌姿です。

裏スジ例

ここに6ワン9ワンを引いてきたらあなたはどの牌を切りますが?おそらくほとんどの方が1ワンを打牌して25ワン待ちにすると思います。

ここで上の裏スジ一覧をもう一度確認してみてください。1ワンの打牌で25ワン待ち。裏スジが危険牌になっていることがわかると思います。

カンチャン待ちからリャンメン待ちに変化した場合

麻雀には、【リャンメン待ち】【カンチャン待ち】【ペンチャン待ち】【シャンポン待ち】【単騎待ち】の5種類の基本の待ちがあり、待ち牌の最大数が8枚、4枚、3枚に分かれます。内訳は以下の通りです。

待ちの種類と待ち牌の枚数
リャンメン待ち 80%リャンメン待ち 8枚
カンチャン待ち 80%カンチャン待ち 4枚
ペンチャン待ち 80%ペンチャン待ち 4枚
シャンポン待ち 80%シャンポン待ち 4枚
単騎待ち 80%単騎待ち 3枚
最も待ち牌の最大数が多く和了率が高いのがリャンメン待ちとなります。ですので他の待ちからリャンメン待ちへ変化できるような牌姿であれば和了率をUPさせるためにリャンメン待ちへ変化させていく状況が多くなります。ここで注目してほしいのが【カンチャン待ち】から【リャンメン待ち】への変化です。

裏スジカンチャン待ち

上記のような牌姿の場合で、4ワンをツモってくると、7ワンを打牌して、裏スジの36ワン待ちになります。

また、8ワンを引いてくれば、5ワンを打牌して、裏スジの69ワンが危険牌になっていることがわかると思います。(※5ワンが打牌されていれば、14ワンも裏スジとなります。)

裏スジとなる牌は序盤・中盤に打牌されやすい

裏スジを考察する上で裏スジの元となる牌が打牌されるタイミングも危険牌を見抜く上でポイントの一つとなってきます。以下の2つの牌姿を参考に考えてみます。

245ワン  445ワン

どちらも似た牌姿で、有効牌が1枚入れば面子が完成します。ですがこの2つの牌姿では、面子のできやすさが異なります。まずは245ワンを面子にしようとすると、36ワンのどちらかを引いて2ワンを打牌するしかありません。面子を完成させるための有効牌の最大数は2種×4枚で8枚となります。

次に445ワンの場合は、同じく、36ワンの2種のいずれかを引いて4ワンを打牌すれば面子が完成する訳ですが、445の場合は4ワンを引いて、5ワンを打牌しても面子(4ワンの刻子)が完成します。つまり有効牌数の最大数はリャンメン待ちの8枚からさらに2枚プラスされて計10枚となります。

要はより面子になりにくい245ワンが先に(局の序盤や中盤に)処理されて、面子になりやすい445ワンは(局の終盤まで)残される傾向があるのです。そもそも牌効率を考えると麻雀の手作りは(数牌の)外から内に伸びていく傾向にあります。134ワン245ワンといった端の牌は比較的序盤に打牌されることが多くなるわけです。

まとめ―序盤・中盤の「裏スジ」牌は危険

以上が、序盤・中盤の「裏スジ」牌が危険と言われている理由となります。・・・が、裏スジが必ずしも危険になる訳ではありません。例をあげればキリがないのですが、そもそも完全に孤立牌だった場合や、七対子やトイトイ等の暗刻系の役であれば裏スジなんて関係ありません。

また、他家3人の裏スジばかりを追っかけいると、ほとんどの数牌が打牌できなくなり長考しがちな初心者になってしまうかもしれません。不要な長考の連発は立派なマナー違反なので、避けたいところです。「あくまで危険牌を予測する方法の1つに裏スジがある」といった具合に頭の片隅に入れておく程度で良いかと思います。