麻雀の筋(スジ)は読みの基本

スジから安全牌を予測する

麻雀にはスジ読みと言う、対象となるプレイヤーの安全牌を予測する方法があります。まずはスジ読みについて説明する前に【筋(スジ)】について詳しく見ていきましょう。

スジとは、2つ飛ばしの数牌のことを言います。具体的には・・・・

筋スジ

のことで、もう少し細かく分けると・・・・

14ワン(イー・スー) 47ワン(スー・チー)
25ワン(リャン・ウー) 58ワン(ウー・パー)
36ワン(サブ・ロー) 69ワン(ロー・キュウ)

の事を言います。

スジの種類

スジには基準となる牌によって、【表スジ】【中スジ】【片スジ】の3つの種類に分かれます。それぞれ特徴があるので覚えておきましょう。

表スジ

表スジとは、数牌の4ワン5ワン6ワンを基準に考えたスジの事となります。具体的には・・・

4ワンが打牌されている時の1ワン7ワン
5ワンが打牌されている時の2ワン8ワン
6ワンが打牌されている時の3ワン9ワン

の事となります。

中スジ

中スジは表スジとは正反対の考え方で基準となる牌が2つあるスジの事となります。具体的には・・・

1ワン7ワンが打牌されている時の4ワン
2ワン8ワンが打牌されている時の5ワン
3ワン9ワンが打牌されている時の6ワン

の事となります。

片スジ

片スジは中スジの基準となる牌が1つしな無いスジの事となります。具体的には・・・

1ワンしか打牌されていない時の4ワン
2ワンしか打牌されていない時の5ワン
3ワンしか打牌されていない時の6ワン
7ワンしか打牌されていない時の4ワン
8ワンしか打牌されていない時の5ワン
9ワンしか打牌されていない時の6ワン

の事となります。以上が基本的なスジになります。ではこのスジからどうやって危険牌を予測していくのかを説明していきます。ポイントとなってくるのが、【待ちの種類】と【フリテンのルール】となります。

麻雀の待ちの種類

麻雀の基本の待ちの形は全部で【リャンメン待ち】【カンチャン待ち】【ペンチャン待ち】【シャンポン待ち】【単騎待ち】の5種類となります。そしてそれぞれの待ちの形で和了牌の最大数は異なります。当然和了牌が多ければ多いほど和了率もあがります。

極端な話、役満の国士無双13面張の場合、和了牌の最大数は13種×3枚=39枚。これに対して基本の待ちである【単騎待ち】の和了牌の最大数は1種×3枚=3枚です。和了牌が39枚ある場合と、たった3枚しか和了牌がない場合、どちらが和了しやすいか容易に想像がつくと思います。

5種類の基本の待ちの和了牌の最大数は以下の通りです。

待ちの種類と待ち牌の枚数
リャンメン待ち 80%リャンメン待ち 8枚
カンチャン待ち 80%カンチャン待ち 4枚
ペンチャン待ち 80%ペンチャン待ち 4枚
シャンポン待ち 80%シャンポン待ち 4枚
単騎待ち 80%単騎待ち 3枚
見ての通り基本の待ちの中でリャンメン待ちがずば抜けて和了牌の最大数が多くなっています。つまり5種類ある基本の待ちの中ではリャンメン待ちが和了率が最も高い待ちとなる訳です。

麻雀は効率よく和了を狙っていくゲームなので、狙う手役や牌姿によって変わりますが、リャンメン待ちは誰もが狙っていくオーソドックな待ちと言えます。そして、リャンメン待ちの待ち牌は2つ飛ばしの数牌となるので、必ずスジとなります。

つまり、スジ読みとはリャンメン待ちをベースにした安全牌の予測方法となります。

フリテンのルール

前述では【リャンメンの待ち牌=スジ牌】ということを紹介させていただきました。ここからは、どうやって【リャンメンの待ち牌=スジ牌】から安全(かもしれない)牌を予測するのかを紹介していきたいと思います。これにはフリテンのルールが深く関わっています。

フリテンとは、特定の条件でロンあがりができない状態で、その3つの条件は以下の通りとなります。

3つのフリテン
  1. 自身の捨て牌によるフリテン
  2. リーチ後の見逃しによるフリテン
  3. 同順内フリテン

これら3つの条件のうちどれか一つでも該当してしまうとロンを宣言することができなくなります。(宣言して倒牌すると満貫罰符のペナルティとなります。)

今回スジ読みと深く関わるのは【①自身の捨て牌によるフリテン】となるので【②リーチ後の見逃しによるフリテン】【③同巡内フリテン】については以下の記事を参照ください。

自身の捨て牌によるフリテンとは、自身が河に捨てた牌では絶対にロンあがりができないとするものです。

例えば・・・

安全牌現物

南家は、捨て牌を河に並べているので、これらの牌で絶対にロンあがりができないことになります。(ツモあがりはフリテン状態でも可。)この河に捨てたロンあがりできない牌の事を現物といいます。

ただし、この現物以外にもロンあがりできない牌が存在します。それが現物に関わる和了牌となります。要は、多面待ちになっている場合、和了牌が1枚でも河に捨てられていれば、それに関わる全ての待ち牌でロンあがりができないのです。つまり【自身の捨て牌によるフリテン】には、「現物でロンを宣言できない」ということと、多面張の場合、「現物とそれに関わる複数の和了牌でロンを宣言できない」という2つの意味が含まれています。

南家の捨て牌は捨て牌です。数牌だけに絞ると捨て牌となります。つまりリャンメン待ちで構えている場合、これらのスジ牌でもロンを宣言することはできないのです。具体的には・・・・

のスジ牌は6ピン
8ピンのスジ牌は5ピン
9ワンのスジ牌は6ワン
1ワンのスジ牌は4ワン
2ソウのスジ牌は5ソウ

となり、南家がリャンメン待ちで構えている場合、南家はこれらの6ピン5ピン6ワン4ワン5ソウでロンあがりすることができないことになります。

スジ牌でもロンされてしまうケース

現物のスジ牌であってもロンされてしまうケースがあります。結論を先にいってしまうと、待ちの形がリャンメン待ち以外であれば、ロンを宣言されてしまいます。

スジ牌で安全牌が予測できるのは、現物とそれに関わる複数の待ちがある場合のみです。ですので、河に捨てられている牌(現物)と和了牌に関わり合いがなければロンを宣言されていしまいます。

例えば以下の牌姿・・・

捨て牌6ソウ

東家が河に6ソウを捨てています。このような場合、東家が78ソウで構えていればフリテンで9ソウでロンあがりすることができません。また、45ソウで構えていれば同じくフリテンで3ソウでロンあがりすることはできません。では以下のような牌姿ではどうでしょうか?

カン3ソウ待ち

このような場合、河に捨てられた6ソウには、3ソウと関わり合いが無いため3ソウの打牌でロンを宣言されてしまいます。

その他にもあります。

ペン3ソウ待ち

3ソウ単騎待ち

このような【ペンチャン待ち】や【単騎待ち】の場合も前述と同じで、河に捨てられた6ソウには、3ソウと関わり合いが無いため3ソウの打牌でロンを宣言されてしまいます。

まとめ-麻雀の筋(スジ)は読みの基本

このようにスジ読みとは、対象者(テンパイしているプレイヤー)がリャンメン待ち(もしくは多面待ち)をしてして初めて効果を発揮する【読み】となります。逆に言うと、対象者が【カンチャン待ち】【ペンチャン待ち】【シャンポン待ち】【単騎待ち】している場合は、スジ読みはできません。

相手の待ちの形を予測するのは非常に難しいですが、リャンメン待ちは和了牌の最大数が多い(和了率が高い)ため、戦略的に組み込まれることが非常に多い待ちとなります。

「勝負をおりる」時に、合わせ打ちができない場合や対象者の現物がなければスジ牌を、また、自身の手役の価値が高い等の理由で「勝負をおりたくない」場合には対象者のスジ牌を打牌すると良いでしょう。

ただし、繰り返しになりますが、対象者の待ちの形を読むのは非常に困難なので、「スジ牌を打牌する」ということは放銃(振り込み)のリスクがあるので、「なんとなく、スジだからこの牌を打牌しよう・・・。」ではなく明確な目的、強い意思をもって打牌するようにしましょう。