ベタオリの技術

ベタオリは麻雀に必要な技術です

麻雀は流局を除くと「あがる」か「あがられる」の2通りしかありません。さらに麻雀で和了できるのは(ダブロン・トリロンを除くと)基本的に1人です。逆に言うと、4人のうち3人は和了できません。

つまり麻雀というゲームは3/4はあがることができないゲームとなる訳です。

麻雀の第一目標は当然和了することです。重要になってくるのが第二目標となります。和了できないのであれば放銃しないことが絶対の第二目標になります。ツモあがりされてしまうことは基本コントロールできませんが、放銃(振り込み)は危険牌の打牌を避けることで回避できる場合が多いです。また、放銃の場合は点数の全てを放銃したプレイヤーが支払う必要がありますが、ツモあがりの場合は支払う点数を他のプレイヤー3人で分配するので、その分被害も少なくなります。ここで重要になってくるのが放銃を避けるためのベタオリの技術です。

ベタオリとは他家がテンパイしている(可能性がある)際に、とにかく和了されない(されにくい)牌を優先に打牌していくことを言います。

5つの「和了」に使用(できない)されにくい牌を覚える

長い麻雀の歴史で統計的・理論的に和了されにくい牌というのが決まっています。これは麻雀の初心者でも上級者でも変わりません。知っているか知らないかだけの差です。まずは和了に使用(できない)されにくい牌を覚えていきましょう。

5つの「和了」に使用(できない)されにくい牌
  1. 合わせ打ち
  2. 4枚目の字牌
  3. 現物
  4. スジ&壁-外から順に
  5. 無スジ-外から順に

1)合わせ打ち

麻雀にはフリテンというルールがあり、このフリテンの状態になると絶対にロンあがりすることができません。そしてフリテンには3つの種類があります。

1つめは「自身の捨て牌によるフリテン」。これは自身が捨てた牌では絶対にロンを宣言することができないというものです。そして、2つめが「リーチ後の見逃しによるフリテン」。これは、リーチ後に和了牌を見逃すとロンを宣言できないとするものです。

そして3つ目に合わせ打ちと深くかかわる「同巡内フリテン」があります。同巡内フリテンは自身の和了牌が下家から切り捨てられた場合、それを見逃すと同巡内のみ対面や上家から和了牌が切り出されても和了する権利はありません。もし和了を宣言して倒牌すると重大なルール違反となり満貫罰符のペナルティとなります。

つまり、守る側から考えると、上家の捨てた牌はその巡目のみ誰からも絶対にロンが宣言されない究極の安全牌となります。これが合わせ打ちの考え方となります。

合わせ打ちは、同巡内限定の究極の安全牌です。将来危険牌になる可能性がある牌も含まれるので、ベタオリするなら迷わず打牌していきましょう。

2)4枚目の字牌

合わせ打ちに続き、4枚目の字牌も限りなく完全に近い安全牌となります。というもの和了できる役が限られるからです。当然字牌なので順子は作ることができません。また、4枚目の字牌であれば、暗刻はもちろん七対子や雀頭としても使用することができません。

唯一4枚目の字牌で和了できるのは13種の么九牌を各1枚揃えることが和了条件の1つとなっている国士無双のみ。つまり国士無双だけを警戒しておけば4枚目の字牌での和了は絶対にありえない訳です。

3)現物

【1.合わせ打ち】で紹介した3種のフリテンの内の1つ「自身の捨て牌によるフリテン」に該当するルールです。麻雀のフリテンのルールには「自身の捨て牌によるフリテン」と言って、「自分が捨てた牌では絶対にロンあがりすることができない」というルールがあります。

つまり、リーチ(テンパイ)しているプレイヤーが河に並べた牌、またはその牌に関わる多面待ちの牌では絶対にそのプレイヤーにロンを宣言されることはありません。(ロンを宣言されたら、そのプレイヤーに満貫罰符のペナルティとなります。)

同じフリテンなので、【1.合わせ打ち】と間違わないように注意が必要です。【1.合わせ打ち】は同巡内限定で全てのプレイヤーに適用される安全牌となります。これに対して、【3.現物】は該当プレイヤー限定で、局終了まで適用される安全牌となります。

4)スジ&壁-外から順に

複数のスジ牌とカベ牌がある場合は必ず外側から打牌するようにします。麻雀の手作りの基本は外から内です。これは麻雀の基本役であるピンフやタンヤオが作りやすく牌効率が良いからです。

簡単にスジとカベのおさらいをしておきあます。まずスジについてですが、同じ数牌の2つ飛ばしの牌となります。具体的には・・・

イー・スー・チー
リャン・ウー・パー
369ワンサブ・ロー・キュウ

の事となります。麻雀の待ちの基本形は【リャンメン待ち】【カンチャン待ち】【ペンチャン待ち】【シャンポン待ち】【単騎待ち】の5種類。

待ちの種類と待ち牌の枚数
リャンメン待ち 80%リャンメン待ち 8枚
カンチャン待ち 80%カンチャン待ち 4枚
ペンチャン待ち 80%ペンチャン待ち 4枚
シャンポン待ち 80%シャンポン待ち 4枚
単騎待ち 80%単騎待ち 3枚
このように、待ち牌の数はリャンメン待ちがずば抜けて多く、和了率も高いため必然的にリャンメン待ちで構える状況が多くなります。スジ読みはこのリャンメン待ちに適用した和了牌の読みとなります。

例えば、ベタオリ対象者が4ワン5ワンを河に捨ていて、他に情報が全くなければ・・・・
1ワン】⇒【2ワン8ワン】⇒【7ワン】の順に打牌するようにしましょう。

次に「壁(カベ)」についてですが、壁は同種・同柄の数牌が自身に4枚見えている場合に利用できる安全牌を予測する方法となります。例えば、4枚全ての2ピンが自身に見えている場合、2ピンが完全に枯渇しているため、14ピンのリャンメン待ちの可能性が完全に消えます。ここから、1ピンが安全かもしれないと予測する手法となります。

※【リャンメン待ち】の可能性は消えますが、【シャンポン待ち】【単騎待ち】の可能性が残ります。

複数のカベがある場合、ベタオリするならスジ同様に壁が該当する外側の牌から順番に切り出すのがセオリーとなります。

5)無スジ-外から順に

無スジとは、その名の通りスジに該当しない牌のことを指します。手牌にスジや壁が見当たらない場合も数牌の外から切り出すのは同じです。

危険牌ワンズ
ただし無スジになると、どの牌で放銃しても全くおかしくありません。あくまで目安として認識していただいて、【合わせ打ち】や【現物】が無い場合、基本的にはスジと壁を追っていけば良いでしょう。

まとめ-ベタオリは麻雀に必要な技術

麻雀は長く続けていると、経験則から状況に応じて様々な読みができるようになりますが、麻雀初心者はとりあえずここで紹介した1~5の手順を踏んでいきましょう。

一度振り込んでしまうと、挽回不可能な痛手を受けてしまう場合があります。和了できない(和了できる可能性が低い)ようであれば、きっちりベタオリできるようにしましょう。